疾患や加齢などの原因により『噛む・飲み込む』という機能が落ち、今まで普通に摂っていた食べ物や飲み物が摂りにくくなることがあります。
『噛み砕けない、飲み込めない、咽る、誤嚥する』といった状態が徐々に進むことにより、『食べることが疲れるので量が摂れない』『食べたくても食べられない』といった状態まで落ちてしまうと、体が『低栄養状態』になり、免疫力や体力の低下、褥瘡(じょくそう)、怪我が治りにくいなどの症状が出てきます。
また、誤嚥する回数が増えると、摂取した物が気管に入って肺炎となる『誤嚥性肺炎』を引き起こすリスクも増えてきます。
食べ物や飲み物が口に入ってから胃に送られるまで、『噛んで』『飲み込む』という仕事しかしていないように感じますが、実はこの数秒間で、いろいろなことが行われているんです。その、一つ一つの働きを知り、うまく飲み込めない原因を探ることで、食べにくかった食事が摂れるようになるかもしれません。
また、口の中を清潔に保つことは、誤嚥をしたときに気管に入る細菌の数も減らせるため、肺炎になるリスクを減らすことが出来ます。
誤嚥を予防するには、水分にトロミを付けたり、食べ物の大きさや調理方法を変えたりと、必要に応じて食事の形態と物性を変える必要があります。
また、自分で食べられるような姿勢を確保したり、使いやすい食器類を用意するのも工夫の一つです。低栄養の改善には、栄養補助食品を取り入れるのも良いでしょう。
食べやすいと思って作った料理も、実際には誤嚥の危険を伴う状態だったということもあります。栄養補助食品や介護食について、迷ったときは、お気軽にご相談ください。